コロンビア大学のSIPA (School of International and Public Affairs)で、2024年春学期に履修したコースの第六弾です。
今回はEducation Leadershipというコースで、SIPAではなく、Columbia Business School (CBS)で受講しました。コロンビア大学にはCross-Registrationという制度があり、Business Schoolに限らず、Law SchoolやTeachers Collegeなどの他のSchoolのコースも履修できます。
基本情報
- コース名:Education Leadership
- 単位数:1.5(学期の後半のみ開講)
- 分類(※1):Elective(※2)
- 講師:David Rosenberg
- 評価方法:Attendance & Participation (25%), Weekly Surveys (25%), Final Group Project (50%)
(※1)SIPAのカリキュラムについてはこちらの記事をご覧ください。
(※2)卒業要件の54単位には算定されますが、CBSのコースであるため、MPA Core Curriculum, Policy Concentration, Specializationのいずれにも該当しません。
コース内容
アメリカの教育制度について、大まかではありますが構造を理解できるコースです。"Education Leadership"というコース名だけあって、アメリカの各地域における教育改革を牽引したリーダーたちの事例を通して議論を深めていきます。SIPAと比較してCBSの学生は話すスピードがとても早く、深い議論に追いつけないことがしばしばあり、自分の英語力不足を痛感するコースでもありました。
全部で6講義あり(※)、内容としては以下のとおりです。また、CBSのHPに掲載されているシラバスが公表されているので、実際にこのコースで扱った記事などを参照いただけます。
- Week 1: アメリカの教育制度の組織化(事例:New York City Teaching Fellows)
- Week 2: チャータースクール(事例:Success Academy)
- Week 3: 教師の役割の再設計(事例①:Baltimore City Public Schools、事例②:Lawrence Public Schools)
- Week 4: イノベーションの拡大(事例:Denver Public Schools)
- Week 5: 政治色の強い状況下での制度改革(事例:Newark Public Schools)
- Week 6: ①Final Projectのプレゼンテーション、②MBA卒業生のパネルディスカッション
このコースを履修して一番良かった点は、Week 2においてチャータースクールの視察をさせてもらえたことです。日本の学校と全く違うクラスの雰囲気を味わえたり、視察先のチャータースクールの校長とディスカッションできたりと貴重な経験でした。
Final Projectでは"How could AI change the teaching profession?"という課題が与えられ、4、5人の学生から成るグループを作りました。私のグループは"Leveraging AI in Hiring K-12 Teachers"というテーマで、教師の採用にかかるAIの活用についてプレゼンテーションをしました。
なぜBusiness Schoolで教育に関する講義があるのか、最初は腑に落ちないままこのコースを履修したのですが、Week 6において行われたコロンビア大学、ハーバード大学またはイエール大学でMaster of Business Administration (MBA)を取得した卒業生たちのパネルディスカッションに参加して納得がいきました。日本と比較して、アメリカでは教育分野に関するビジネスの領域が大きく、例えば、上記の卒業生の中には、教師のメンタルヘルスを向上させるプログラムなどを提供している法人の設立者であったり、教育プログラムを提供するためのFundraisingを行なっている法人の代表である方がいました。あくまで私の理解においてですが、教育委員会のためのコンサルティング会社みたいなビジネスかと思っています。
(※)通常のコースは、学期を通して13~14講義あり3単位ですが、このEducation Leadershipは学期後半のみ開講される1.5単位のコースなので、全部で6講義しかありません。
※これまでに書いた記事はこちらから参照いただけます※