コロンビア大学のSIPA (School of International and Public Affairs)で、2023年秋学期に履修したコースの第三弾です。
今回は統計学です。政策とその政策効果に関係があるかどうかを分析することがこのコースの至上命題で、政策立案の観点からは最も重要なコースでした。
基本情報
- コース名:Quantitative Analysis I for International and Public Affairs
- 単位数:3
- 分類(※1):MPA Core Curriculum
- 講師:Doru Cojoc
- 評価方法:Problem set and Quizzes (30%), Midterm Exam (30% or 40%), Final Exam (30% or 40%)(※2)
(※1)SIPAのカリキュラムについてはこちらの記事をご覧ください。
(※2)Midterm ExamかFinal Examの点数の高い方が40%、低い方が30%になります。
コース内容
講師のDoruの英語はとても早口で、どこの国かもわからないアクセントが入り混じるため、彼の言っていることは30%も理解できぬまま2023年秋学期が終了。。一方で、配布資料がよくまとまっていたため、予習復習をすることでコース内容をしっかりと理解することができました。
このコースでは、統計ソフトであるSTATAを使いながら、主に①Hypothesis Testingと②Ordinary Least Squares Regressionsを学びました。
Hypothesis Testing(仮説検定)
z-test(z検定)やt-test(t検定)なる検定方法を用い、ある政策等によってもたらされたと考えられる効果が統計的に有意か否かを検証します。「統計的に有意か否か」というのは、要は偶然ではなく、政策とその政策効果に関係があるかどうか、ということです。留意しなければならないのが、これはあくまで「関係があるかどうか」なので、因果関係があるかどうか、つまり政策効果にエビデンスがあるかどうかを検証しているものではないということです。そこで有用なのがRegression analysis(回帰分析)になります。
Ordinary Least Squares Regressions(最小二乗法)
Regression analysisにはいくつか種類があるのですが、このコースではOrdinary Least Squares (OLS)を学びました。かなり噛み砕いて説明すると、政策効果Yを政策Xとの線形関係(Y = β0 + β1X + ε)に落とし込み、直線だけで説明できない誤差εの二乗の和を最小にするようにβ0とβ1を推定する方法がOLSです。
STATAを使ったOLSにより、政策とその政策効果の因果関係を明らかにすることができます。来学期のQuantitative Analysis IIでは、Regression analysisをさらに深く学べるようなので、置いてかれないように頑張りたいと思います。
※これまでに書いた記事はこちらから参照いただけます※