アメリカ留学体験記 in NYC

Nagaです。コロンビア大学国際公共政策大学院で2023年9月から学生をしています。

渡航準備④ 〜国際運転免許証の取得〜

実際に取得した国際運転免許証

現地で車を運転したい方は国際運転免許証を取得しておくとよいと思います。渡航先の国がジュネーブ条約の締約国である場合、日本で発行できる国際運転免許証が有用です。

どのタイミングで取得すればいいの?

有効期限が発行日から1年間なので、できるだけ渡航直前に取得することをオススメします。有効期限が切れた場合、現地の運転免許証を取得する必要があります。

どんな手続きが必要なの?

手続きはとても簡単です。私の場合、08:20に運転免許試験場に行って、08:50には国際運転免許証を発行してもらえました。モノとしては、パスポートよりも一回り大きいくらいの厚紙です。手数料は3000円弱です。

おわりに

これで渡航準備関係の記事はおしまいです。参考程度にしかならないかもしれませんが、最後に私が実際に行った渡航前の手続き等をリスト化して共有します。

渡航準備リスト】

  • 家探し
  • 送金元の銀行口座開設
  • クレジットカードの引き落とし口座を変更
  • I-20の申請
  • Visaの申請
  • 現地で使えるドル建てのクレジットカードの申請
  • サブスクリプションアマゾンプライムなど)の解約
  • NHK放送受信料の解約
  • アメリカで使えるSIM購入
  • 国際運転免許証の取得
  • 海外転出届を役所に提出
  • 日本のスマホ解約

渡航準備③ 〜海外SIMの契約〜

留学に限らず、現代人の生活に欠かせないものの1つがスマートフォンですが、現地でSIMを購入することをオススメします。なぜなら圧倒的に安いからです。

とはいうものの、実際にアメリカの空港に降りたって、スマホがない状態で目的地(ホテル、アパート等)に到着するのは難しいと感じる方が多いのではないでしょうか。そういった方は、アメリカで使えるSIMを事前に日本で購入することをオススメします。

日本で使ってたSIMはどうすればいいの?

まず、日本の携帯電話番号を残すかどうか決めましょう。私の場合はY!mobileだったので、契約を休止する(日本の携帯電話番号を残す)という選択肢がなく、解約するほかありませんでした。解約方法はとても簡単で、こちらのY!mobileのHPから渡航当日、もっというと離陸3時間前くらいに解約しました。

アメリカのSIMを日本でどう購入するの?

日本にいる間に、アメリカで使えるSIMを提供くれる会社がいくつかあります。私はアメスマを利用しました。申込みから数日でSIMが自宅に届くので、現地の空港に降り立ったら、持ってきたスマートフォンに日本で受け取ったSIMを挿し、説明書通りの操作をするだけですぐに使えるようになります。

とても便利で有難いサービスである一方で、このサービスの欠点は、

  • 回線開通手数料(およそ$35)がかかること
  • プランの価格(およそ月額$46)が高いこと(プランの価格はその内容による)
  • 解約料(およそ$9)がかかること

です(金額は2023年7月当時)。

どうやってアメリカの格安SIMを契約するの?

アメリカの格安SIMは、日本で契約できるSIMと比較すると圧倒的に安いです。いくつかキャリアがあるのでご自身でプランを比較していただければと思いますが、私の場合はmint mobileと契約し、最初の3か月は15GBで月額$15しかかかりませんでした。その後は15GBで6か月契約にし、月額$25を支払っています。

アメリカの格安SIM契約までの流れは?

私がアメスマからmint mobileに乗り換えた際の流れは以下のとおりです。どのキャリアからどのキャリアに乗り換えるとしても、手続きにそれほど違いはないはずなのでご参考にしてください。

アメリカの格安SIM契約の流れ(電話番号を移行する場合)】

  • 契約中のキャリア(私の場合アメスマ)の契約更新日を確認する
  • 契約中のキャリアに解約したい旨と乗り換え先のキャリアを伝える
  • 契約中のキャリアに電話番号を移行する際に必要な情報を聞く
  • 契約中のキャリアから得た情報を元に乗り換え先のキャリア(私の場合mint mobile)と契約する(※)
  • 古い契約中のキャリア(私の場合アメスマ)と解約する

(※)eSIMであれば、現物のSIMが必要ないため、スマホ1つで数十分もあれば契約できる。

アメリカの格安SIM契約の流れ(電話番号を移行しない場合)】

  • 契約中のキャリア(私の場合アメスマ)の契約更新日を確認する
  • 契約中のキャリアと解約する
  • 乗り換え先のキャリア(私の場合mint mobile)と契約する(※)

(※)eSIMであれば、現物のSIMが必要ないため、スマホ1つで数十分もあれば契約できる。

渡航準備② 〜Visa申請〜

Visaを申請するにあたって、まず必要になるのがパスポートですが、これは取得にあたって難しいことはないと思うので割愛します。一方で、Visa申請はなかなか手間のかかる作業だったので、この記事で説明させていただきます。

Visaの目的は知ってるけど、そもそもモノとしてはどんなもの?

パスポートをペラペラめくっていただくと、「査証」と書かれたページがあります。アメリカVisaを取得した場合、ここにペタっとご自身の写真付きのシールのようなものが貼られます。これがVisaです。つまり、パスポートと合体して機能するものなんですね。

なお、Visaにはいくつか種類がありますが、一般的に留学生はF-1という種類のVisaを取得します。

Step 1. I-20の取得

Visa申請にあたっては、まずI-20を留学先の大学から取得する必要があります。I-20は大学が発行する入学許可証のことで、アメリカ大使館ではなく、留学先の大学のHP等から申請して取得する必要があります。なお、ご家族がいる方は、ご家族の分のI-20も必要になるので忘れないように注意してください。

Step 2. DS-160のクリア

DS-160」というものをクリアする必要があります。DS-160はVisa申請の際にその資格が申請者にあるかを事前に審査する制度です。オンラインで質問項目にカチカチと回答する形式ですが、回答に60-90分くらいかかります。

Step 3. Visa申請料金の支払い

Visa申請料金は$185もかかります。私はクレジットカードで支払いました。

Step 4. SEVISへの登録

F-1のVisaの場合、SEVIS (Student and Exchange Visitor Information System)に登録する必要があります。SEVISは留学生のアメリカ滞在中の手続きに使用されるデータベースのことで、登録するために$350もかかりました。SEVIS費の支払いはI-901というフォームを使って行います。

Step 5. 面接日の予約

アメリカ大使館における面接をHPで予約して、面接日を確定させましょう。この際、パスポートなどの必要書類をごっそり預けることになります。私の場合、以前(といっても2017年ですが)ESTAというVisaの代わりになるものでアメリカに入国したことがあったので、面接をする必要はありませんでした。その代わり、レターパックでパスポート等をアメリカ大使館へ送付しました。パスポートを郵送するということが初めてだったので、不安しかなかったことを覚えています。

Step 6. Visaの受け取り

Visaの受け取りは、アメリカ大使館に預けたパスポートを受け取ることで完了します。パスポートの「査証」と書かれたページに、顔写真付きのシールが貼られているか確認しましょう。

なお、Visa付きパスポートを受け取る方法は、

  • 自宅へ郵送してもらう
  • CGI Federal文書配達センターまで行って受け取る

の2つあります。郵送は送料が結構かかるので、私はセンターまで行って受け取りました。東京であれば、四谷三丁目駅近くの左門町パクスビルというところで受け取れます。

まとめ

以上がVisa申請の流れになります。

  • I-20は申請から取得まで1週間くらい
  • VisaはDS-160の申請からVisa付きパスポートの受け取りまで2週間くらい

かかることを考慮すると、Visa申請は全体で1か月くらいかかると思っておくと安心です。

渡航準備① 〜送金元の銀行口座開設〜

アメリカにおける生活費を得るにあたって、日本から定期的に送金をする必要がある人は結構いると思います。海外在住だと口座を保有させてくれない日本の銀行が多いので、渡航前に海外在住でも保有ができる送金元の銀行口座を開設しましょう。

どの銀行がオススメなの?

どの銀行が一番いいかを解説できるほど詳しくないのですが、私はSMBC信託銀行プレスティアの口座を開設しました。プレスティアの何がいいかというと、海外大学院留学サポートプログラムというものがあり、大学院への留学生であれば①口座維持手数料無料や②海外送金手数料無料などの特典を享受できます。大学院といってもビジネススクールロースクール、メディカルスクール等に絞られていますが、SMBC信託銀行へ直接行って相談すれば、これら以外の大学院の留学生でも特典を受けられる可能性があります。少なくともコロンビア大学のSIPA (School of International and Public Affairs)の私はこのプログラムの対象にしてもらえました。

送金の流れ(プレスティアの場合)

私の場合、以下のような流れでニューヨークの生活費を送金しています。これを見ていただくとわかるとおり、送金するためには(当たり前ですが)現地の銀行口座が必要になります。これはアメリカ到着後でないとできませんので、この記事では割愛いたします。

【送金の流れ】

  • プレスティアの口座内で円預金の一部をアメリカドル預金に両替(渡航前 or 渡航後)
  • プレスティアの送金先として現地の銀行口座を登録(渡航後)(※)
  • プレスティアのアメリカドル預金の一部を現地の銀行口座へ送金(渡航後)

(※)国内の振込と異なり、海外送金の場合は事前に送金先を登録する必要がある。プレスティアの場合、インターネットで登録の手続きができないため、現地の銀行口座の情報を記入した申込書をアメリカから日本へ国際郵便で送った。

大学への出願 〜Early Applyを活用しよう〜

コロンビア大学のメインキャンパス(正面奥の建物はLow Memorial Library)

レジュメエッセイ推薦状が完成したらいよいよ大学への出願です。出願するためには、各大学が提供している出願のためのアカウントを作る必要があります。まずはこのアカウントを通じて細かな必要書類も確認しましょう。ちなみに、出願費用は大学によりますが大体$100~200くらいです。

また、後述しますが、出願予定の大学がEarly Applyを採用していれば、積極的に活用するようにしてください。

出願時に大学へは何を提出するの?

細かい出願書類は大学によって変わるので一概には言えませんが、コロンビア大学のSIPA (School of International and Public Affairs)には以下の書類を提出しました。ビデオエッセイなるものがありますが、これは取り直し不可能な1~1.5分のビデオをオンラインで撮影し、それをアップロードするというものでした。正直言って私のビデオエッセイはめちゃめちゃでしたがなんとか合格をいただきました。

【SIPAへの提出書類】

  • レジュメ
  • Quantitative Resume
  • エッセイ
  • ビデオエッセイ
  • 推薦状(推薦人から提出してもらう必要がある)
  • GREのスコア
  • IELTSまたはTOEFLのスコア
  • 成績証明書等(Certificate & Transcript)

Early Applyって何なの?

こちらのスケジュールを確認するとわかるとおり、通常であれば11〜12月に大学へ出願して1〜3月に合格発表という流れなのですが、Early Applyであればこのスケジュールが2〜3ヶ月早まります。私の場合、10月に1校、11月にコロンビア大学のSIPA (School of International and Public Affairs)に出願をし、それぞれ11月と12月に合格通知を受け取りました。Early Applyのメリットは以下の2つです。

【Early Applyのメリット】

  • 通常よりも早く合否の結果がわかるため安心できる
  • ライバルが少ないうちに大学側に審査してもらえるので合格しやすい

特に2つ目のメリットはとても大きいのです。自分の回りにいるSIPAのレベルの高い学生たちを見ていると、Early Applyでなかったら、私はSIPAに合格できなかったなと日々感じます。ぜひ、このブログを読んでいる方々には早め早めの準備を心がけていただき、Early Applyのメリットを享受していただければと思います。

おわりに

これで大学への出願関係の記事はおしまいです。皆さんが第一希望の大学へ進学できることを祈っています。次回からは渡航手続き関係の記事を書こうと思いますので、まだまだお付き合いいただければ幸いです。

大学への出願準備④ 〜推薦状の作成〜

留学することが決まったら、こちらのスケジュールのとおり早い段階で推薦してもらいたい人に推薦状(Recommendation letters)を書いてもらうように依頼しましょう。

誰に推薦状を依頼すればいいの?

正確に①誰に、そして②何人に依頼すればいいかは各大学のHPを確認していただければと思いますが、①元上司及びお世話になった教授等の②2〜3人から推薦状をもらうことが一般的です。私の場合、元上司2人、大学時代の教授1人から推薦状をもらいました。これは各大学によって異なるので、繰り返しますが詳細は各大学のHPを確認してください。

推薦状は依頼すれば書いてもらえるものなの?

「推薦状をもらう」という言い方をしましたが、私の場合、3人全員の推薦状を私自身で下書きしました。おそらくほとんどの方がそうですが、さすがに推薦状の作成を推薦人に丸投げすることは、推薦人との関係上難しいのではないでしょうか。推薦人が推薦状の作成に慣れているとは限らないですし、やはりまずは自分で下書きを作成し、それを推薦人に確認してもらう、という方法が一番いいと思います。

どんな内容を下書きすればいいの?

ざっくり言うと、

  • 推薦人と関わったプロジェクト等で自分が貢献できたことに触れつつ、
  • 気持ち悪いくらい自分を褒めちぎる内容で、
  • 400〜600文字に収める

ように作成すればよいです。留意していただきたいのが、同じ人物がこの3人分の推薦状を書いたと大学側に悟られないようにすることです。実際、私が下書きした推薦状をネイティブチェックしてもらった際、チェックしてくれた人から「これ君が全部の推薦状書いたってバレちゃうよ」と指摘されました。留学経験のない人の場合、推薦状に限らず出願書類のネイティブチェックはマストなので、こういったプロセスの中で3人分書き分けられるようにしましょう。もしくは、推薦状を代行して作成してくれる業者があるようなので、そういったサービスを利用するのも1つの手かなと思います。

推薦状を書いてもらったらそれで終わり?

推薦状が完成した後も、推薦人にしてもらうことはあります。とはいえ、それほど難しいことではありません。私が出願した大学では、推薦人に

  • 大学への推薦状の提出
  • 出願者の評価(A, B, C, ...)
  • 本当に推薦人であるかの確認

などを、大学から推薦人に直接送られたメールを通してやってもらいました。

推薦状の参考例はあるの?

前回の記事と同様ですが、

に推薦状の参考例もありますので、必要な方はご参照ください。

大学への出願準備③ 〜エッセイの作成〜

大学への出願書類の中で最も重要なのがエッセイです。まずは全体のスケジュールを確認して、どれだけエッセイに時間をかけられるのか考えましょう。

エッセイってそもそもどんなのがあるの?

エッセイといっても、いくつか種類があります。

 ① Statement of Purpose (SOP)

 ② Personal Statement

 ③ 大学から与えられた特定のお題に関するエッセイ

正直に言うと、①と②の違いはほとんどありません。2つとも

  • どのような問題意識を持っているのか(Goals)
  • どういった経験からその問題意識が生まれたのか(Experience)
  • なぜその大学に行きたいのか(Motivation)

などをストーリーとして1つのエッセイにまとめます。強いて言えば、SOPはMotivationにより焦点を当てる必要があり、Personal StatementはExperienceにより焦点を当てる必要があります。

大学のHPの更新前にエッセイの準備なんてできるの?

どの大学もほぼ確実にSOPもしくはPersonal Statementを要求してきます。「③大学から与えられた特定のお題に関するエッセイ」については、9〜10月頃の大学のHPの更新前に対応するのは難しいですが、SOPもしくはPersonal Statementの両方に使える下書きエッセイを作成することは可能です。

過去の記事で解説したStep 4で得た内容を盛り込むことを忘れずに、1,000~2000文字の下書きエッセイを完成させ、大学への出願書類として使い回せるようにしましょう。

実際どんなエッセイ課題が要求されるの?

私が出願したコロンビア大学のSIPA (School of International and Public Affairs)で出題されたエッセイ課題(2022年11月時点)を参考までに共有します。必須ではないOptional Essayも含めて4つのエッセイを書きました。

  • Personal Statement: Please elaborate on why you have chosen to apply to the MIA/MPA program. How will this program enable you to achieve your career goals? Describe your academic and research interests and career objectives. (400 words maximum)
  • Second Essay: What are the life experiences that have prompted your commitment to public or community service? Can you identify how that commitment has shaped and is connected to past professional and community endeavors? (200 words maximum)
  • Optional Essay: This optional essay will allow you to discuss any issues that do not fall within the purview of the required essays. Please share any additional information about yourself that you believe would be of interest to the Admissions Committee. Please focus on information that is not already reflected in the other parts of your application or might not be clear in the information submitted. (400 words maximum)
  • Optional Diversity Essay: We have all had unique experiences in life. Sometimes those experiences, whether positive or negative, help define our perspective. Please share an experience or personal history that has shaped your view on diversity. Diversity includes, but is not limited to: race, ethnicity, religion, gender, gender identity, sexual orientation, socioeconomic status, and physical abilities. And how that perspective would enrich the educational experience of your peers and the SIPA community. (250words maximum)

エッセイの参考例はあるの?

洋書なので少し読みづらいかもしれませんが、私はこちらの書籍「Graduate Admissions Essays, Fourth Edition」を参考にしました。過去の記事でも紹介した「大学院留学のすべて 入学後絶対後悔しないための10のステップ」にもエッセイの参考例がありますので、要すればご参照ください。